今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申
キャリアコンサルタント試験の第1回・第2回ともに取り上げられていた、中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」について確認する。
中央教育審議会とは
概要はリンク先(文部科学省ホームページ)のとおり。
リンク先の情報を解釈すると、平成13年(2001年)に文部科学省内に設置されたもので、任期2年の委員30人が調査、意見をまとめて文部科学大臣やほかの偉い人にフィードバックする団体。
4つの分科会があり「教育制度分科会」「生涯学習分科会」「初等中等教育分科会」「大学分科会」となっている。
今回の主題である「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」は、その中央教育審議会が平成23年1月23日の総会においてとりまとめられたもの。
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)の要点
「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(答申):文部科学省
※「表紙・目次・本文」のPDFを開いたら106ページもあるが、序章含む全7章の各冒頭に「概要」がまとまっているので、それだけでも読んでおくとよいと思う。今回は、これまで試験に出てきている章のみに注目する。
序章 若者の「社会的・職業的自立」や「学校から社会・職業への移行」を巡る経緯と現状
ここでは、若者の「社会的・職業的自立」や「学校から社会・職業への移行」に課題があるとして、これらの現状と背景にある社会全体を通じた構造的な問題を指摘している。
1.産業構造や就業構造の変化
- 産業構造の変化(経済のグローバル化が進み、日本だけでなく世界を視野にしたキャリア形成の在り方を考える必要がある)
- 就業構造の変化(景気後退時に新卒一括採用が抑制されたことなど)
- 職業にかかわる能力開発の変化(長期雇用を前提とした企業内教育・訓練ができにくくなっている)
- 職業に必要な能力の向上(急速な技術革新等で仕事自体が高度化している)
- 女性就業者の状況(非正規雇用者が依然としておおい等)
- 障害のある者の状況(障害の種類や程度によって卒業後の進路に差異がみられる)
- 少子・高齢化の進展(労働力人口が減少するなか外国人労働者が増加傾向)
2.学校制度や学校教育における職業に関する教育の現状
↑と同じぐらい要約していこうかと思ったが時間がないので割愛する。
3.社会全体を通じた職豪に関する教育に対する認識
↑同上
4.子ども・若者の変化
↑同上
第1章 キャリア教育・職業教育の課題と基本的方向性
ここでは「キャリア教育とは」「職業教育とは」が定義されている。
キャリア教育とは
「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」である。
この文章の後ろに、特定の活動や指導方法に限定されるものではない等と補足されている。「国語や算数といった教科のひとつではなく、独立して行うものでもなく、すべての学校教育を構成していくための理念と方向性」ということ。
職業教育とは
「一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」である。
ふたつを並べてみると若干の違いが分かるが(キャリア教育は生き方全体に関わることで、職業教育は就業をする上でのテクニックやハック?)、キャリア教育とはなにかとだけ問われた時に混乱しそうな気がするので気を付けたい。
これらの教育の方向性を考える上で必要な2つの視点は次のとおりである。
①仕事をすることの意義や、幅広い視点から職業の範囲を考えさせる指導を行う。
②社会的・職業的自立や社会・職業への円滑な移行に必要な力を明確化する。
この②の「力」とは何かが次のようにあらわされている。
- 基礎的・基本的な知識・技能
- 基礎的・汎用的能力
┣人間関係形成・社会形成能力
┣自己理解・自己管理能力
┣課題対応能力
┗キャリアプランニング能力 - 論理的思考力・想像力
- 意欲・態度及び価値観
- 専門的な知識・技能
(太字にしたのは、2回もテストに出たから)
本日は以上です。
※過去問を解いていて、引っ掛かりのあったキーワードを中心に調べたものをUPしていきます。私の自己満足で五月雨式に書いていきますので、このブログを読んだところで体系的・網羅的に学べるものではありません。さらにいうと、間違っている恐れも多分にあります。